日本医師会認定産業医制度Institution
「日本医師会認定産業医」制度について
I.目的
日本医師会は、産業医の資質向上と地域保健活動の一環である産業医活動の推進を図るために、所定のカリキュラムに基づく産業医学基礎研修50単位以上を修了した医師、または、それと同等以上の研修を修了したと認められる医師に申請に基づき日本医師会認定産業医の称号を付与し、認定証を交付します。
また、この認定証は、有効期間5年間に、産業医学生涯研修20単位以上を修了した医師について更新ができます。
Ⅱ.基礎研修
産業医活動を行うために必要な基本的知識・技術を修得する研修です。
1.基礎研修会の開催
日本医師会ならびに都道府県医師会(複数の都道府県医師会で実施する場合も含む)において実施します。
基礎研修会の日程等は、日本医師会雑誌や全国医師会産業医部会連絡協議会のホームページ(https://www.sangyo-doctors.gr.jp/)などに掲載します。また、同協議会にご登録いただいたメールアドレス宛に研修会の情報をお送りします。
2.研修手帳
日本医師会は都道府県医師会を通じて「産業医学研修手帳(Ⅰ)」を交付します。
研修会の実施主体者はこれに受講修得単位を記載し、証明します。
3.基礎研修の内容(50単位以上(ただし、1時間の研修を1単位とします。))
日本医師会は都道府県医師会を通じて「産業医学研修手帳(Ⅰ)」を交付します。
研修会の実施主体者はこれに受講修得単位を記載し、証明します。
①前期研修(14単位以上)
入門的な研修
- 総論 2単位
- 健康管理 2単位
- メンタルヘルス対策 1単位
- 健康保持増進 1単位
- 作業環境管理 2単位
- 作業管理 2単位
- 有害業務管理 2単位
- 産業医活動の実際 2単位
上記8項目の研修については、それぞれの単位の修得が必要です。
②実地研修(10単位以上)
主に職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習などの実務的研修
③後期研修(26単位以上)
地域の特性を考慮した実務的・やや専門的・総括的な研修
Ⅲ.申請の資格、手続き、登録
1.資格
新たに認定産業医の称号を申請する医師
①都道府県医師会などが実施する基礎研修50単位以上を修了していること。
基礎研修最終受講日から5年以内に1回限り申請できます。ただし、50単位修了後、出来る限り速やかに申請して下さい。
②産業医科大学産業医学基本講座修了者・産業医科大学産業医学基礎研修会集中講座修了者
基本講座または集中講座修了者の申請は、修了認定の日から5年以内に1回限り申請ができます。
2.手続き
次の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出して下さい。
なお、申請方法、申請受付期間は都道府県医師会によって異なりますので、申請にあたっては、一度、都道府県医師会にお問い合わせ下さい。
①認定産業医新規申請書
②医師免許証の写(医師会員は不要)
③産業医学研修手帳(Ⅰ)(基礎研修50単位以上のカリキュラムを修了したことが証明されていること)、または産業医科大学産業医学基本講座修了認定書、産業医科大学産業医学基礎研修会集中講座修了認定書など
注:①の書類は都道府県医師会に用意してあります。
3.審査
都道府県医師会長は、認定産業医新規申請書の届け出を受けた場合には、申請者の基礎研修受講状況などを審査した上で、日本医師会長に申請します。
日本医師会長は、都道府県医師会を通じて申請された医師について、審査を行って認定し、認定証を交付します。
4.登録
日本医師会は、認定産業医登録台帳に認定証被交付者名などを登録します。
登録有効期間は5年です。
登録された医師は、住所など登録事項に変更を生じた時には、速やかに、都道府県医師会を通じて、日本医師会に届け出て下さい。
IV.更新
1.趣旨
認定産業医制度が社会的に活用されるためには、常に認定産業医の資質の維持向上を図ることが重要であり、そのための生涯研修を受講した認定産業医は認定証の更新ができます。
2.生涯研修会の開催
日本医師会が行う産業医学講習会のほか、日本医師会の指定を受けて都道府県医師会、郡市区医師会、教育機関などでも、認定産業医の生涯研修のための研修会を開催します。
なお、日本医師会の産業医学講習会を受講修了すると、労働衛生コンサルタントの筆記試験が免除になります。
生涯研修会の日程等は、日本医師会雑誌や全国医師会産業医部会連絡協議会のホームページ(https://www.sangyo-doctors.gr.jp/)などに掲載します。また、同協議会にご登録いただいたメールアドレス宛に研修会の情報をお送りします。
3.生涯研修の内容(20単位以上(ただし、1時間の研修を1単位とします。))
①更新研修(1単位以上)
労働衛生関係法規と関係通達の改正点などの研修
②実地研修(1単位以上)
主に職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習などの実務的研修
③専門研修(1単位以上)
地域特性を考慮した実務的・専門的・総合的な研修
なお、WEB 研修会で取得した単位のうち更新時に利用できるのは、20単位のうち最大5単位以内とします。WEB 研修会の開催は更新研修と専門研修のみを対象とし、実地研修は対象外とします。
4.資格と手続き
5年ごとに、更新申請をします。
認定証取得後の5年間(認定証に記載されている有効期間中)に生涯研修20単位以上(更新研修1単位以上、実地研修1単位以上、専門研修1単位以上の合計20単位以上)の修得が必要です。
次の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出して下さい。
なお、申請方法、申請受付期間は都道府県医師会によって異なりますので、申請にあたっては、一度、都道府県医師会にお問い合わせ下さい。
①認定産業医更新申請書
②産業医学研修手帳(Ⅱ)(生涯研修20単位以上のカリキュラムを修了したことが証明されていること)など
注:①の書類は、更新手続きが必要な時期になりましたら、都道府県医師会より直接認定産業医宛送付します。
5.審査と登録
新規認定と同様です。
V.称号(認定)の喪失および取り消し
1.称号(認定)の喪失
認定産業医は次の理由により、その称号(認定)を喪失します。
①認定産業医の更新を受けないとき
②認定産業医を辞退したとき
③医師の資格を失ったとき
④死亡したとき
2.称号(認定)の取り消し
日本医師会長は、認定産業医としてふさわしくない行為のあった医師に対して、認定産業医制度運営委員会および(常任)理事会の議を経て称号(認定)を取り消すことができる。
VI.問い合せ
日本医師会認定産業医制度は、都道府県医師会が各種申請手続きの窓口になりますので、不明な点は所属または勤務地の都道府県医師会へお問い合せ下さい。
更新手続き
認定産業医証の有効期限の3~4ヶ月前に各都道府県医師会を通じて更新申請書および更新手続きの案内を、医師会員である認定産業医は日医雑誌等の送付先に、医師会員以外の認定産業医はご自宅に送付します。
更新申請は、これらの書類が到着後、都道府県医師会の案内に従ってお手続きください。
認定有効期限が近付いても書類が届かない場合、郵便事故等の可能性が考えられますので、所属の都道府県医師会(医師会員ではない認定産業医は勤務地の都道府県医師会)にご連絡下さい。
なお、有効期限より早く更新手続きの案内をお送りいたしますが、更新に必要な生涯研修の受講は、有効期限当日まで可能です。